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学校インターネット3活用事例・その4


今回、このWebページでは本校で行っている『情報の授業課題』の一つを御紹介致します。
ここで御紹介するものは『情報A』の授業の『問題解決の工夫』の部分として行っている『PC自作仮想体験』というものです。
この授業実践は日本文教出版の『ICT Education 2003 No.19 P.14~P.17)』からも御報告させて頂きました。


この実習課題に関する、より詳しい解説は『PC自作仮想体験(『問題解決の工夫』の部分として)』を御覧下さい。

ここでは、私の考えている『この実習に関するねらい』を列挙しておきたいと思います。


<<この実習課題に秘められた私のねらい>>

1.
無理のない取材活動ができる(比較的簡単に実地調査を実行できる)。

とりあえず、ショップ巡りをしてパソコンの部品に関して『製品型番』・『メーカー名』・『実売価格』を調べてメモしてくるだけでよいのです。

チャンスがあったら、店員さんのお仕事の迷惑にならないようにしながら、お話が聞ければベストであるとの指示を出しておきました。

2.
学校の宿題でもなければ多くの生徒は電気街へは行かないので宿題として行ってもらう。

3.
情報の整理・分析のために表計算ソフトを利用することができる。

表計算ソフトを利用すると、合計や消費税の計算を簡単に行うことができる他に、IF関数を利用して条件の判定なども簡単にできます。
このようなことを体験的に理解させることにより、実際に自分で必要となったときに応用が利くようにすることを目指しています。

4.
『始めにインターネットありき』ではなく、取材活動をメインに考えてはいるものの、自分の取材活動が不十分ならば、インターネットによる追加席調査(『情報の収集』を行うことにより、課題を続行できる。

5.
上記の3と4の過程を繰り返すことにより、『問題解決の手順』を体験的に学習することができる。

6.
この実習課題だけではないが、随所に『情報の統合』の部分が入っている。

ここでは、作成した『PC部品購入計画表』をワープロの文書ファイルに貼り付けて、実習を受けての感想や電気街訪問記などを追加して提出課題としています。

7.
『情報機器の仕組みと発達の歴史』の部分や『著作権問題』とも関連づけた課題となっている。

前者に対する説明は不要だと思われますが、後者の『著作権問題』に関してさえも、電気街を訪れることにより経験するであろう『外国人による不法ソフトの販売』などを、その導入にすることができます。

8.
『もしかしたら、実際に興味を持ってパソコンの自作をする生徒も現れるかも知れない』ということを期待している。




【授業中の様子】

ショップで貰ったパンフレットやチラシを頼りに『PC部品購入計画表』を作成していきます。












授業最初の実習課題説明では、生徒の前でケースを持ち上げて、アクティブに『これがマザーボードです』、『これはCPU(Central Processing Unit)! 中央処理装置ともいい、パソコンの頭脳にあたるものだな』とか、『これはハードディスクといい、プログラムや色々なデータを保存しておく装置で、Windowsの画面ではローカルディスク(C:)と書かれているよ』などというように、一つ一つの部品の役割について説明しました。

ケースを持ち上げている写真は自分では撮れませんでしたから、左の写真はその後、教卓へ整理して配置したものです(左の写真はサーバー室に眠っていた不要品を授業中に展示したもの)。

この課題には10時間ほど掛けましたが、その間はこのまま放置し、自由に見ることができるようにしました。

写真の左上のものは全部写っていませんが、筐体(ケース)です。





















実際に秋葉原などの電気街で『実地調査』した内容では、『PC部品購入計画表』の作成に不十分になった場合には、インターネットを使って、再度、部品の『製品型番』・『メーカー名』・『実売価格』などを調べます。

写真の生徒はインターネットで再度、調査をしているところです。






貰ってきたパンフレットには定価のみで実売価格がなかったり、オープン価格で全く分からず、『自分で調べるしかない!!』ということもあります。

なかなか、表が埋められずに困っていた生徒も結構いました。

『価格.com』など、便利なサイトも紹介しましたから、利用した生徒も多いと思います。




最初は途方もない課題設定に結構戸惑いを隠せない生徒もいました。

『(仮想のこととはいえ)何で私たちが、パソコンの自作などに挑戦しなければならないのだろう』という気持ちを持っていた生徒が多かったようですが、いざ、課題に取りかかってみると結構おもしろくなってきたようです。

『パソコンを構成する部品について調べて、自分の目標価格に実売価格をいかに近づけるか』という課題は前述のような大きなねらいがあります。

課題を行うにつれて、おぼろげながら私の考えていたことが分かってきたようです。

以下は、この実習課題終了後の『提出課題(生徒の感想)』から数点公開させてらいました。




【生徒が作成した課題から】 







【生徒の感想から】

<<生徒A>>

この授業でPCの使い方が少しわかりました。パソコンの値段を調べるのは大変だったけど、ちゃんとできたので良かったです!!
パソコンが計算してくれるやり方さえ知っていれば簡単に計算ができるのでとても便利でうまく出来ればたのしいと思いました。

<<生徒B>>

★感想★

今回の課題は、今までできなかった表計算ができるようになったり、色がつけられるようになったりして、とても勉強になったと思います。秋葉原は、ほんとに電気屋やパソコン専門店が多くて、すごい街でした。普段行く機会がないので、いい経験になりました。これからもっとパソコンを使いこなせるようになりたいと思いました。

<<生徒C>>

感想

表を作るのが大変だった。いちいち文字を打たなきゃいけなかったから…。

でも合計を求めるのとか消費税とかを求めるのはすぐにできるので便利でした!!

判定をやるのはすごい!!高かったら高過ぎってでるし、安かったら安過ぎってでるんだもん☆

あとパソコンにはたくさんの部品が使われていて、値段の高いのもあれば安いのもあって、自分で作るには安くも高くもできることを知った!!

パソコンは必要だけど、自分で作るのは大変そう…。


<<生徒D>>
自作パソコンを作ってみよう ―秋葉原に行って―

 初めてこの課題を聞いたときは、なんと面倒くさいことをするのだろうと思いました。
しかし今、やっとこの課題を終えようというところまでたどり着き、われながら満足感と達成感とで胸がいっぱいです(≧∇≦)
表に関数に、この最後の感想に…一学期に習ったことのすべてが詰まっているような気がします。
私は、秋葉原には行かず、新宿に行きました。
同じ新宿でも、普段は行かないようなところだったので、電気屋さんの数の多さに驚きました。
そしてその中でも「パソコン専門店」が多いことが意外でした。
実際に中に入ってみると、部品の種類・品数の豊富さにさらに驚きました。

(途中略)

いざパソコンに向かい、作業を開始すると、これがさらに大変な作業でした。価格などを打ち込み、表を作り、足して掛けて…(筆者注:関数を用いた計算以外のハードとソフトの合計の計算や消費税の計算など)。
普段パソコンに触りなれていない私にとって、まさに地獄のような時間でした。しかし何とか自分の力でこの課題を終えることができました。本当にうれしいです。


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