PC自作仮想体験・付録:リビングPC自作記/機
〜この授業を生徒に受けて貰うにあたって私がしたこと〜

   
         
     ここでは、『PC自作仮想体験』という授業を行うにあたって(生徒に受けて貰うにあたって)、私が実際にパソコンを組み上げたときの様子を紹介しています。

 実際の授業ではパソコンを実際に組み上げるまでは行わず、パソコンを自作するつもりになって各パーツを選択し、予算額との差異を表計算ソフトのIF関数で判定し、その結果を表示するまでを行います。
実際に電気街を訪れてどんなパーツがあるかを調べてきたり、表計算ソフトを用いた部品購入計画表を作成したり、その結果を報告書に貼り付けて『この実習を受けての感想』や『電気街を訪れての感想』などを入れて課題を提出させています。

 私の自宅には既にパソコンが数台ありますが、リビングで家族全員が使うためのパソコンが必要になったので、それを実際に自作してその過程をここで紹介することにしました。

 このページに書かれている内容は実際の授業には必要にないことですが、実習課題(報告書)が完成して余裕ができたら、この文書に書かれている内容を読んでみることをお薦めします。
『パソコンの自作とはこんな感じで行うんだ』ということが実感できます。

但し、今回はベアボーン・ケースを利用しましたので、残念ながらマザーボードの取り付け部分は紹介できていません。


この文章を書いているのは平成16年5月13日(2004-05-13)です(5/14更新)。
 
 
 左の写真は今回購入してきたパーツの全てです。

 写真・左上のワインレッドと黒のケースが『MSI社のMEGA-865』というベアボーンケースです。

 中央の装置は『日立・LG電子のLG-GSA-4082B』というDVDスーパーマルチドライブです。

 右側の白い紙の上に置いてあるのは、一番手前のものがメモリ、中段左はハードディスクドライブ(WesternDigital社のWD1600JB)、中段右側はCPUのPentium4 3.0GHz、最上段のパーツはCPUクーラーです(左側がケースに付属してきた専用クーラー、右側はCPUに付属してきたクーラーです。今回はケース付属のクーラーを使用しました)。

キーボードの右にあるものは『WindowsXP』のOEM版です。
   
 
 左側の金属の部品は、ケースに付いてきたものでハードディスクを固定するためのものです(マウント金具といいます)。

 ハードディスクにはジャンパーピンというものがあり、これでハードディスクの接続方法を選択します。
『マスター』・『スレーブ』・『ケーブルセレクト』という区別があり、通常1台目のハードディスクは『マスター』、二台目のハードディスクは『スレーブ』とします。
『ケーブルセレクト』はハードディスクがケーブルのどの位置(マスターの位置かスレーブの位置かということ)に接続されているかを自動的に判断して認識するモードです。

 今回は1台目なのでセオリー通り、『マスター』にしました(下の写真の電源ケーブルの上の部分がジャンパーピンの位置です)。

 但し、今回の場合には、この設定では何故かハードディスクを認識しませんでした。
過去の経験では、WesternDigital社のハードディスクはこのような場合にケーブルセレクトにすると認識するということがありましたので、『ケーブルセレクト』に変更しました(勿論、無事にハードディスクを認識しました。最初の設定では『ケーブルセレクト』になっていましたから、敢えて変更することもなかったともいえます)。
   
 
 左の写真は『ケースのカバーを開けたところ』です。

 底面・中央にあるクリーム色の四角い部分がCPUを挿すところ(ソケット478)です。

ここのレバーを持ち上げてから、CPUを挿します。

 ケースの上の方に見えるケーブルは電源ケーブルでコネクタ部分が白っぽく見える方が 通常の電源ケーブル、コネクタ部分が黒のものはシリアルATA用の電源ケーブルです。

 このほかに後述する『光学ドライブ専用の電源ケーブル』があります(PCの電源とは独立しているもの)。

 CPUソケットの左側に見えているケーブルはE-IDEのケーブルです。
ハードディスク用と光学ドライブ用の2本があります。
 
   
 
 マウント金具に固定したハードディスクをケースに収めています。

 ラベルに『MSI(写真では少しピントがぼけてしまっていて見にくいですがHDD MASTERの文字も確認可能)』と書かれているケーブルがE−IDE(ATA-100対応)のケーブル、手前側が電源ケーブルです(一般的には赤・黒・黒・黄の4本のケーブルでできています)。

その上にあるケーブルは光学ドライブ用ケーブル(これもE-IDEのケーブル)です。

底面にあるマザーボードには、予めCPUを挿しておきました。
 
   
 


 左の写真(上)はメモリ挿入前の様子です。

 このパソコンではメモリを挿すところ(メモリスロット)は2つあり、内側のスロットからメモリを挿していくようにできています。










 左の写真(下)はメモリ挿入後のものです。

 少し見えにく状態の写真になってしまいましたが、内側のメモリスロットにメモリが刺さっています。

メモリの挿し方には向きがあり、左右非対称で表裏が決まっていますから、無理をせず正しい向きに挿す必要があります。
   
 
 『TV OUT (S-Video)』と『DVI-I』を実装するためのボードです。

AGPスロット(上の写真では上の方:電源ケープルの下)に挿して使用します。
   
 
 上の写真で一度E-IDEのケーブルを取り付けたのですが、光学ドライブ(私のはDVDスーパーマルチドライブ)用の電源ケーブルがよく分かりませんでした。

 この写真では上手く見えませんが、『紫・黒・黒・茶という4本のケーブル』がありました。
 これは今までの経験では見たこともない色の電源ケーブルでした(後から考えればケーブルの色の違いは明白でしたが、この時には「供給電圧は同じなのだろうか」という疑問も湧いてきました)。

 コネクタ(接続部分)の形状は今までと同じものですから、「多分これをつなげいでも問題ない」とも思いましたが、ここは大事をとって、家にあった予備の『追加ケーブル』でDVDドライブをつなげることにしました。

シリアルATAの電源ケーブルはありましたから、ハードディスクはシリアルATAの利用を想定し、ここでハードディスクに接続した電源ケーブルは光学ドライブに接続するためのものであるという考え方もできましたから、結果として正しい判断はできませんでした。



 
   
 
 左の写真では『追加のE-IDEケーブル』を使用して、ハードディスクとともにDVDドライブにも同一ケーブルで電源を供給するように組み上げました。

 今まで見たことがないといったケーブルは、結局は同じケーブルであるということが、後で分かりますが、このケーブル(紫・黒・黒・茶という4本のケーブル)はパソコンの電源を入れなくてもDVDドライブ(CDプレイヤーとしても使用でする)に電源を入れることができるような工夫がしてあるものでした。


 
   
 
 とりあえず、組み上がりましたが、この時点ではケーブルの色の違いを理解できていませんでしたから、一度、このままケースに収めてしまいました。
 その後、WindowsXPをインストールして、少し使ってみました。
暫く使用してみると、『パソコンの電源を入れないとCDプレイヤーとして使えない』などの間違いに気付きました。
 ここで、やっとケーブルの色の違いを理解し、DVDドライブには『光学ドライブ(DVDドライブ)専用のケーブル(紫・黒・黒・茶という4本のケーブルの組み合わせのもの)』に付け替えました。

 マニュアルにはこの辺のことが何も説明されていませんでしたので、このような間違いをしてしまいました(ハードディスク用のケーブルにはHDDと刻印はされていましたが・・・・)。
   
 
ケースに収めた後の様子です。
 
   
   
 


 前面にはSD・スマートメディア・メモリースティックめマルチメディアカード・コンパクトフラッシュ・マイクロドライブなどを利用するためのドライブ、USB機器やIEEE1394機器などを利用するためのコネクタもあります。



 裏面はこんな感じで、色々なインターフェイスがびっしり詰まっています。

 シリアルコネクタ・VGA(ディスプレイ)のコネクタ、LANケーブル用のコネクタ、プリンタ用のコネクタUSBコネクタ、サウンド関係のコネクタです。

 この写真は組み上げ前のもので右側のAGP/PCIスロットには何も挿さっていませんが、実際には『TVOUT(S-VideoとDVI-I)』用のカードが標準で付いてきましたので、これを使ってTVにパソコン画面を映すこともできます(規格上の問題で、文字などはかなり大きな設定にしないと、あまりはっきりと表示できませんが・・・・・)。
 左の写真は組み上げた後の様子である(購入したパーツは全てケースの中に収まってしまったので、外から見る限りはベアボーンを購入した直後のものと変わらないが・・・・)。

 この後、FM/AMチューナーの設定等をして、パソコンとしてだけではなく、CDプレイヤーやHiFiラジオとしても利用することができるようになりました。

 パソコン自作の楽しみは、数多くのパーツの中から、自分の予算に合わせて思い通りのパソコンを作ることができる点です。

 今回はベアボーンケースを利用しましたから、『世界でただ1つしかないパソコン』というわけにはいきませんが、予算をふんだんに使って、このようなパソコンを組み上げることもできます。

 また、『今回の自作記/機』のように、ちょっとしたハプニングに遭いながらも、それを克服して使えるものをつくるという『過程』も、楽しさの1つであると思います。
   
   


 


   
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